科目名: □保存修景計画特論
担当者: 山野 善郎

対象学年 クラス[001]
講義室 開講学期
曜日・時限 単位区分
授業形態 単位数
準備事項
備考

講義の目的・ねらい(講義概要)最近の日本では、一部都市へ過度に人口が集中した結果、都心部の空洞化が進み、都心居住のあり方を再構築し、かつての賑わいを取り戻さなければならないという課題と、地方での人口減少に歯止めがかからず、町おこし、村おこしを行わなければ地方自治の存続が危ういというもう一つの課題が明らかになってきた。
その二つの課題に対する有力な答えが、歴史的な町並みや景観の『保存修景計画』にあると考えられ、文化財行政の枠組みを大きく超えて、関係各省庁から多くの制度や財政支援が国の施策として準備され、その成果と限界も少しずつ見え始めた。

この講義では、これまでに行われた実例を検証する中で、さまざまなタイプの保存修景の方法があることを学び、それぞれの成果と課題を理解することから始め、立場と利害の異なる多様な人々の合意を形成し、その合意が世代を超えて継承されるために必要なことは何かを、受講生それぞれが自ら考え、講師や他の受講生と討論する。
その過程で、複雑な社会的、現実的課題を分析し把握する力を養い、個々別々の具体的解決しかあり得ない保存修景計画に対処する能力を身につけること、そして高度職業人としての工学修士の社会的役割を理解することが、この講義の目的である。
講義内容・演習方法(講義企画)過去の保存修景事例を、調査報告書、ウェブサイトおよび講師が制作した画像資料に基づいて多角的に検証したのち、各受講生と講師がいくつかの事例で、立場や利害の異なる人々の役を仮想的に演じるロール・プレイングを行い、実践的な理解を深める講義とする。
評価方法・評価基準理解度と表現力をレポートで評価。講義中に行う討論での積極性と妥当性を加味する。
履修の条件(受講上の注意)特になし
教科書近刊の保存修景の調査報告書又は歴史的建造物の保存修理工事報告書
参考文献太河直躬 編『歴史的遺産の保存・活用とまちづくり』学芸出版社
特記事項(その他)